♪ フルートのコンサート・メモ ♪
    Memorandum of the flute concerts
 
    第19回 京都フランス音楽アカデミー
    「アンサンブル・スペシャル・コンサート」(フルート:フィリップ・ピエルロ)

     2008年4月1日 京都府立府民ホール(アルティ)

      <演奏>

        京都フランス音楽アカデミー

          ピアノ:
            クレール・デゼール Claire DESERT
            フローラン・ボファール Florent BOFFARD

          ヴァイオリン:
            ジャン=ピエール・ヴァレーズ Jean-Pierre Wallez
            アレッサンドロ・モッチア Alessandro MOCCIA
            森 悠子 Yuko MORI

          ヴィオラ:
            ジャン=フィリップ・ヴァッサール Jean-Philippe VASSEUR

          チェロ:
            フィリップ・ミュレール Philippe MULLER

          コントラバス:
            長谷川順子 Junko HASEGAWA

          フルート:
            フィリップ・ピエルロ Philippe PIERLOT

          クラリネット:
            ロマン・ギュイオ Romain GUYOT

          琴:
            大谷 祥子 Shoko OTANI

          打楽器:
            宮本 妥子 Yasuko MIYAMOTO


      <曲>

        C. ドビュッシー: 弦楽四重奏曲 ト短調 op.10
        C. ドビュッシー: 牧神の午後への前奏曲 (ギュスターヴ・サマズィーユ編曲)
        C. ドビュッシー: パンの笛
        C. ドビュッシー: ヴァイオリンとピアノのソナタ
        C. ドビュッシー: チェロとピアノのソナタ
        C. ドビュッシー: クラリネットのための第1狂詩曲
        三木  稔:    20絃独奏曲 五段の調べ
        宮城 道雄:    春の海
        C.サン=サーンス: 動物の謝肉祭


    ● 感想 ●

      京都フランス音楽アカデミーは、1990年に創設された日仏音楽交流事業で、毎年春に関西日仏学館内で2週間のマスタークラスが開講されている。
      このコンサートは、京都フランス音楽アカデミーに招聘された教授陣によるもので、同様のコンサートが横浜でも4月5日に開催されるそうだ。

      今回、聴きに行こうと思ったきっかけは、フィリップ・ピエルロさんによるフルートの演奏がプログラムに含まれていたからだが、たまには、フルート以外の曲をいろいろ聴いてみようと思い、チケットを買っておいたのだった。

      会場の京都府立府民ホール(アルティ)には、開演の少し前に着いたのだが、今日は満席になっていたそうで、ほとんど席が空いていない。しかし、中央に近い運良く前から2列目に空いた席を見つけることができた。うまい具合に演奏者がほとんど見える位置で、ラッキーだった。

      今回のコンサートは、「ドビュッシー没後90年記念」ということで、第一部はドビュッシーの曲ばかりだ。
      最初に演奏されたのは、「弦楽四重奏曲 ト短調 op.10」で、ヴァイオリンのアレッサンドロ・モッチアさんと森 悠子さん、ヴィオラのジャン=フィリップ・ヴァッサールさん、チェロのフィリップ・ミュレールによる演奏が始まったのだが、私が座っていた位置のせいか、思っていたよりも楽器の音が少し小さめに聞こえた。そのせいもあって、近くでポリ袋をガサゴソと動かす女性の出す雑音が気になって仕方がなかった。また、特に、はじめの方で会場のあちこちから咳が聞こえたのはちょっと残念だったし、前に座っていた外国人の男性が携帯電話で動画を撮りながら演奏を聴いていたのには、唖然とした。
      で、この曲の演奏だが、最初、ヴィオラを弾いているヴァッサールさんが体をずいぶん動かしながら演奏されるのが気になったのだが、演奏を聴いているとヴァッサールさんのヴィオラの音がとてもいい。チェロのミュレールさんも良かったが、この演奏に関してはヴィオラが一番いい音で弾いていたと思う。

      2曲目と3曲目は、お目当てのフルートの曲だ。まず、「牧神の午後への前奏曲」 (ギュスターヴ・サマズィーユ編曲)をフローラン・ボファールさんのピアノ伴奏で、フィリップ・ピエルロさんが演奏されたのだが、期待していたほどにはフルートが鳴っていなかったように思う。ピエルロさんは、フルートを吹くときにかなり右手を下げて演奏されるので、フルートの先がかなり下の方を向いていて、しかも、伴奏のピアノの方にフルートの先が向いていたことが影響していたのではないだろうか。離れて聴いていた人には違って聞こえたのかもしれないが、私には音が前や上へあまり飛んでいないように聞こえた。
      しかし、次の「パンの笛」(シランクス)の演奏は違った。この曲は、フルートの独奏で、しかも暗譜で演奏されたため、ピエルロさんはステージの少し前の方に出て来て演奏され、フルートも横からやや前方に構えて演奏されていて、ちょうどフルートの先が私が座っていた方向を向いていたこともあり、前の曲よりも、ずっと音がよく響いていた。これで、フルートの先がもう少し上向きになっていれば、もっとよかったのではないだろうかと、勝手に考えながら演奏を聴いていた。
      ピエルロさんの指の動きもしっかり見える位置で聴いていたのだが、ピエルロさんの指の形や動かし方はほぼ理想に近いものだったと思う。ただ、からだが大きいこともあってか、キーをたたく音が近くにいると、結構、よく聞こえていた。でも、これはよい演奏だった。

      4曲目の「ヴァイオリンとピアノのソナタ」は、ヴァイオリンがジャン=ピエール・ヴァレーズさん、ピアノがクレール・デゼールさんによって演奏されたが、ヴァイオリンもいい音が鳴っていてよかったし、ピアノとのバランスもよくとれたすてきな演奏だった。

      5曲目は「チェロとピアノのソナタ」は、弦楽四重奏のチェロを聴いていたので、大いに期待して演奏を聴き始めたが、期待通りの非常によい音と演奏だった。ちなみに、この曲もピアノはデゼールさんだった。

      6曲目の「クラリネットのための第1狂詩曲」のピアノ伴奏はボファールさんで、クラリネットのロマン・ギュイオさんによるすばらしい演奏だった。私自身は、クラリネット用の曲というのはほとんど聴くことがないので、とても新鮮に感じた。

      休憩を挟んで第二部は、まず、大谷祥子さんによる琴の演奏で、最初に三木稔の「20絃独奏曲 五段の調べ」が演奏された。琴の演奏というと和服で正座というイメージがあるが、今日はドレス姿で椅子に斜めに腰掛けての演奏だった。私の祖母が昔琴を弾いていたので、子どもの頃、琴を少し弾いてみたことがあるが、こんな演奏もできるんだと、ちょっと感動した。演奏者の指の動かし方などまでわかる位置で聴いていたので、奏法もわかってなかなかおもしろかった。

      続いて、大谷さんの琴とヴァレーズさんのヴァイオリンによる「春の海」が演奏された。琴だけの演奏はよく聴くが、ヴァイオリンとのアンサンブルも綺麗でよかったと思う。

      最後に、ピアノ2台とヴァイオリン、ヴィオラ、コントラバス、クラリネット、フルート(ピッコロ)、打楽器による「動物の謝肉祭」が演奏された。普通はオーケストラで演奏されるが、今回のアンサンブルもいろいろ工夫されていて興味深く楽しむことができた。特に、クラリネットのギュイオさんが途中でステージの外に出て行かれ、離れた場所から演奏されたり、ピアノ2台のテンポを微妙にずらしてみたり(わざと合わせないで弾くのは、かえって難しいと思う)、そこへギュイオさんが入ってきて、ピアノストの肩を揉んでみたりと、フランスらしいユーモアも交えた演奏だった。

      アンコールでは、動物の謝肉祭のフィナーレをもう一度演奏してくださったが(これが本当のアンコールかも?)、非常に盛りだくさんの内容で、大満足の演奏会だった。

Netscape Navigator ver.7.0以上 または Microsoft Internet Explorer Ver.5.0以上をご利用下さい。
許可なく、掲載された情報の全部または一部の複製や転載、また出版、放送等の二次使用をすることは禁止します。
PEN、チ、网s。。、ヌ。チ、ケ。ェ Email:メール
  URL:http://www2h.biglobe.ne.jp/~pen/
(C)Copyright 2007, Create PEN
All Rights Reserved
No reproduction or republication without written permission.